病気にならない歩き方


 病気の予防・治療法としての歩行が見直されてきています。病気にならないための正しい歩き方を「構造医学~自然治癒のカギは重力にある」(吉田勧持 著)からご紹介します。

◉歩き方の基本

❶ 靴は運動靴やジョギングシューズが望ましい。

❷ 足で一線をはさむようにして歩く。上体はやや前傾させ、まっすぐ前をみる。

❸ 腕を振る時は必ず肘を曲げるようにし、前方へ大きく降り出すのではなく、むしろ、曲げた肘を後ろへ引くような気持ちで行う。

❹ 手にはあまり力を入れず、真綿を軽くつかむような感じで握る。

❺ 歩幅はできるだけ広げた方がいいが、普段あまり歩いていない人は、最初の内は無理をしないでゆっくりと、しかも少しずつ歩幅を広げていくようにすること。

 

◉歩く速度(歩行量)

  歩く速度(歩行量)により、以下の各機能に非常に効果がある。

❶第一生理歩行

 ゆるやかな歩調。消化器系機能増進に効果があり、精神安定効果ある最も基礎的な歩行。

❷第二生理歩行

 速歩。運動支持機能が増進し、筋力、骨強度、関節潤滑が高まり、気力、活力が充実する。

❸呼吸循環系歩行

 やや速歩。呼吸循環系の機能修復・増進に効果。

❹泌尿器系歩行

 平常歩行。泌尿器系の機能修復・増進に効果。

 

◉40分間あたりの歩行量

身長 第一生理歩行 第二生理歩行 呼吸循環器系歩行 泌尿器系歩行
175㎝ 2.52km 4.40km 3.60km 3.20km
165 2.34km 4.08km 3.34km 2.97km
155 2.16km 3.76km 3.08km 2.73km
145 1.98km 3.44km 2.82km 2.50km
135 1.80km 3.12km 2.56km 2.27km

◉歩く時間

❶ 歩く時間は約40分間とする。これは、歩行時間が30分を超えないと、上記の効果がほとんどみられず、40分を超えると疲労を訴える人が急激に多くなり、生理性を失うからである。

❷ 40分というのはあくまで持続時間であり、一回の歩行で連続して40分歩かなければ、大きな効果は期待できない。

❸ できれば毎日歩くことが大切である。

 

◉歩行時の呼吸

❶ 呼吸は呼気、つまり吐くことを基本とする。

❷ 吐くときはとがらせた口から、吸うときは鼻から、呼気2回、吸気1回の「フーフー、スー」「フーフー、スー」というリズムで呼吸する。